ZEROPOD物語②


数週間はゼロポッドの模型も見たくなかったが、しばらくすると新しいアイデアが降ってきて再びゼロポッドに取り掛かった。
次はとにかく試作までは自分で完成できるようにしようとフライス盤やらボール盤、プレス機まで購入してアルミパイプによる折畳みトラス構造に挑戦した。
最初の試作から7年ぐらいかかったが、何とか製品らしきものが完成。
2014年のグッドデザイン賞やMITビジネスコンテストの優秀賞まで受賞し、順風満帆の船出だった。
・・・筈だったのに、今度もまた製品化してくれるメーカーが見つからず7年かけて完成させたトラスモデルも挫折。
トラスモデルは重量45キロもあり、分解してもワゴン車一杯の大荷物だった。だから、製品化を相談したメーカーからは、「こんな重い大荷物、だれが使うの?」なんて言われた。
そんなある日、友人から「ゴルフバック」ぐらいにならなきゃ誰も買わないよ!」といわれた。僕はゴルフはやらないけど、なぜかこの言葉にはピン!と来るものがあった。
(つづく)