メモウォレットは、食事中や移動中に突然降ってくるデザインのアイデアを、その場で書き留めるために開発した。
アイデアを逃さないために生まれた
「あ、今の形は面白いかもしれない」
そう思っても、あとで書こうとすると意外に思い出せない。スマホを取り出している間に、アイデアの輪郭がぼやけてしまうこともある。
だから僕たちは、アイデアをすぐ書くための「デザイナーのためのアイデアツール」としてメモウォレットを販売している。
ところが、お客様に実際の使い方を聞いてみると、僕たちが考えていた以上に、さまざまな場面で使われていた。
厨房で使われていたメモウォレット
あるカフェのオーナーは、メモウォレットをエプロンのポケットに入れて使ってくれている。
厨房で仕事をしているとき、ふと気づくことがある。
「フィルターがなくなりそうだから、注文しておかなきゃ」
そんなとき、お客様の前でスマホを操作するのは、あまり見た目がよくない。かといって、ノートや手帳を取り出すほどのことでもない。
メモウォレットなら、ポケットから出して開けば、すぐに書ける。
「こういうちょっとしたメモにちょうどいい」
そう話してくれた。
薬や食事の記録にも使える
高齢の母は、メモウォレットを日々の備忘録として使っていた。
「朝、薬を飲んだ」
「今日は昼にお弁当を頼んだ」
書いているのは、本当に小さなことだ。でも、時間がたつと「薬を飲んだかな」「お弁当は頼んだかな」と分からなくなることがある。
スマホの操作に慣れていなくても、紙なら開いて書くだけでいい。
メモウォレットが、暮らしの中の小さな確認を助ける道具になっていた。
接客中に気づいたことを忘れない
文房具店の方は、接客中のメモに使っている。
お客様と話している途中で、「あとで、この商品の在庫を確認しなきゃ」と思うことがあるそうだ。
しかし、接客が終わって別の仕事を始めると、つい忘れてしまう。そんなとき、手元のメモウォレットにひと言だけ書いておけば、あとから思い出せる。
仕事中にメモを持ち歩くことで、ちょっとした確認漏れを防げるという使い方だった。
相手の話を聞きながらメモを取る
起業家の方は、人の話を聞いているときに使っている。
会話の途中で「これは覚えておきたい」と思ってスマホに入力すると、相手からは話を聞いていないように見えることがある。
その点、紙のメモに書くと、受け取られ方が違う。
「自分の話をメモしてくれている」
そう感じて、むしろ好意的に受け止めてもらえることが多いそうだ。
スマホが便利なのは間違いない。ただ、人と向き合って話す場面では、紙の携帯メモのほうが自然なこともある。
僕自身も、いろいろな場所でメモしている
僕もメモウォレットを持ち歩いている。
人と話しているときに、「○○という本がよかった」「○○というお店がおいしかった」と聞けば、その場で店名や本のタイトルだけを書いておく。
東京で複数の電車を乗り継ぐときには、乗り換えのポイントになる時間だけをメモすることもある。
詳しい経路はスマホで確認できる。それでも、移動中に何度もスマホを開くより、必要な時間だけ紙に書いておいたほうが楽なことがある。
スマホとシステム手帳の間を埋める道具
僕は、システム手帳もスマホのメモ機能もカレンダーも使っている。
それでも、スマホを触りにくい場面はあるし、大きな手帳を取り出すのが面倒なときもある。
メモウォレットは、開いたらすぐに書ける。しかも、書くためのペンがそこに付いている。
アプリを起動する必要もない。ページを探す必要もない。
思いついたことを、ひと言だけ書く。
メモウォレットは、スマホや手帳の代わりになるものではない。それぞれの間にある、すぐにメモしたい場面を埋めるための道具だと思っている。
デザインのアイデア、仕事中の確認事項、薬を飲んだ記録、誰かに教えてもらった本やお店。
忘れたくないことは、案外、何でもない瞬間にやってくる。
そんな瞬間のために、メモを持ち歩く。
それが、メモウォレットの使い方だ。