長く使える道具の選び方|「便利」だけでは選ばない5つのポイント


便利なものは、世の中にたくさんあります。

安い。

軽い。

多機能。

すぐ届く。

壊れたり、古くなったりしたら、新しいものに買い替えることもできます。

それは、とても便利な時代です。

でも、ときどき不思議な道具があります。

特別に便利というわけでもない。

最新でもない。

もっと高性能なものが、ほかにあるかもしれない。

それなのに、

なぜか手放したくない。

気がつけば、何年も使っている。

今回は、そんな「長く使いたくなる道具」について考えてみます。

「長く使える」と「長く使いたい」は少し違う

丈夫な素材でつくられている。

壊れにくい。

何年も使える。

これは、長く使える道具の大切な条件です。

でも、耐久性だけで長く使い続けるとは限りません。

どれほど丈夫でも、使いにくければ使わなくなります。

便利でも、気に入っていなければ新しいものが欲しくなる。

反対に、多少傷が付いても、

「まだこれを使いたい」

と思う道具があります。

つまり、

長く使えることと、長く使いたくなることは同じではありません。

道具を選ぶとき、この違いは意外と大切です。

新しいものが、いつも一番いいとは限らない

スマートフォンやパソコンのようなものは、新しい製品ほど性能が上がっていきます。

速くなる。

軽くなる。

機能が増える。

新しいものへ買い替える意味があります。

一方で、すべての道具がそうとは限りません。

ペン。

眼鏡。

椅子。

テーブル。

鞄。

こうしたものは、毎年性能が劇的に上がるわけではありません。

むしろ、

自分の使い方に馴染んでいくこと

に価値がある道具もあります。

長く使いたくなる道具の5つの条件

1.用途が分かりやすい

多機能な道具は便利です。

でも、機能が多ければ長く使えるとは限りません。

むしろ、

「これは何のための道具なのか」

がはっきりしているものの方が、使い方に迷いません。

書く。

置く。

持つ。

運ぶ。

必要なことを、きちんとする。

シンプルな道具には、時代が変わっても役割がなくなりにくいという良さがあります。

2.形に理由がある

変わった形をしているものがあります。

ただ目立つための形なのか。

それとも、使い方から生まれた形なのか。

ここには大きな違いがあります。

薄くした理由。

折りたためる理由。

この位置に部品がある理由。

この素材を使った理由。

形に理由があるプロダクトは、流行だけで古くなりにくい。

見た目のためのデザインではなく、使い方を考えた結果として形が生まれているからです。

3.素材に触れたくなる

毎日使う道具は、何度も手に触れます。

だから素材の感触は意外と大切です。

金属。

木。

革。

アセテート。

それぞれに違った表情があります。

新品のときが一番きれいな素材もあれば、使うことで少しずつ表情が変わる素材もあります。

傷まで含めて、

「自分が使ってきた道具」

になっていく。

長く使うものなら、そんな変化も楽しめる素材を選びたいものです。

4.壊れたら終わり、ではない

長く使うことを考えるなら、修理や部品交換についても見ておきたいところです。

消耗する部分を交換できる。

構造が分かりやすい。

手入れができる。

一部分が傷んだからといって、道具全体を捨てなくていい。

すべての商品で可能とは限りませんが、

「壊れたら買い替える」以外の選択肢があること

は、長く使ううえで大きな価値になります。

5.使っていないときにも好きでいられる

道具は、一日の大半を使われずに過ごしています。

ペンは机の上にある。

テーブルは部屋に置かれている。

眼鏡を外せば、どこかに置かれる。

だから、

使っていないときの姿

も大切です。

便利だけれど、見えないところへしまいたいもの。

使っていなくても、そこに置いておきたいもの。

長く暮らしの中に残るのは、後者なのかもしれません。

「便利」を追いかけると、終わりがない

もっと軽いもの。

もっと小さいもの。

もっと多機能なもの。

もっと安いもの。

便利さを基準にすると、新しい商品が登場するたびに比較が始まります。

去年買ったものより、今年のものの方が高性能。

そうなると、まだ使えるのに新しいものが欲しくなります。

でも、

「これが好きだから使う」

という基準なら、比較する必要がなくなります。

他に新しいものが出ても、自分にはこれでいい。

長く使うということは、耐久性だけではなく、そんな関係を道具とつくることなのだと思います。

傷は「劣化」なのか

新品の道具はきれいです。

傷もない。

汚れもない。

でも毎日使えば、少しずつ変化します。

小さな傷が付く。

艶が変わる。

手が触れるところだけ質感が変わる。

それを劣化と考えることもできます。

一方で、

自分が使ってきた時間が残っている

と考えることもできます。

もちろん、すべての傷が美しいわけではありません。

でも長く使った道具にしかない表情があることも確かです。

道具を減らすなら、好きなものを残したい

物を減らして暮らしたい。

そんな考え方も一般的になりました。

ただ、単純に数を減らせば豊かになるとも限りません。

10本のペンを1本にするなら、その1本は好きなものを選びたい。

いくつもの小さなテーブルを持たないなら、室内でも外でも使いたくなるものを選びたい。

物を減らすことと、

道具を雑に選ぶことは別です。

数を減らすほど、一つひとつとの付き合いは長くなります。

だからこそ、選ぶときには少し時間をかけてもいいと思います。

MARIO DEL MAREが考える「道具」

MARIO DEL MAREでは、さまざまな大きさのプロダクトをつくっています。

薄く携帯することを考えたボールペン。

A4用紙をメモとして持ち歩くための道具。

眼鏡やサングラスを外したときの居場所。

外で過ごすための小さなトレー。

形を変えながら使う折りたたみテーブル。

一見すると、それぞれまったく違うものです。

でも、出発点には共通する考え方があります。

「今ある道具は、本当にこの形でいいのだろうか」

ということです。

形を変える前に、使い方を考える

デザインというと、見た目を美しくすることだと思われることがあります。

色を変える。

装飾する。

特徴的な形にする。

もちろん、それもデザインの一部です。

でも、MARIO DEL MAREが大切にしているのは、その前です。

誰が使うのか。

どこで使うのか。

使っていないときはどうなるのか。

持ち歩くのか。

収納するのか。

そこから考えていく。

すると、

「丸い必要はないかもしれない」

「専用の紙でなくてもいいかもしれない」

「完全に収納しなくてもいいかもしれない」

という別の答えが見えてくることがあります。

その答えが、プロダクトの形になります。

長く使うことを、最初から目的にしすぎない

「一生もの」という言葉があります。

魅力的な言葉です。

でも、買うときから一生使うと決める必要はないと思います。

まず使ってみる。

自分の暮らしに馴染む。

気がついたら何年も経っている。

そして、

「やっぱりこれがいい」

と思う。

その結果として長く使っている。

そんな関係の方が自然です。

道具を選ぶ時間も、少し楽しむ

インターネットで検索すれば、すぐに比較できます。

価格順。

レビュー順。

人気順。

機能順。

とても便利です。

でも、ときには少し違う選び方をしてみてもいい。

なぜこの形なのか。

誰が考えたのか。

どんな素材なのか。

自分はどこで使うのか。

使っていないとき、どこに置くのか。

そんなことまで考えて選んだ道具は、少しだけ特別になります。

長く使える道具より、長く使いたくなる道具

丈夫であること。

修理できること。

機能がシンプルであること。

素材がいいこと。

どれも大切です。

でも最後に残るのは、

「まだこれを使いたい」

という気持ちなのかもしれません。

新しいものが出ても。

少し傷が付いても。

もっと便利なものが見つかっても。

自分にはこれがいい。

そんな道具が身の回りに少しずつ増えていく。

それも、暮らしの楽しみの一つではないでしょうか。

MARIO DEL MAREのプロダクト

MARIO DEL MAREでは、「どう使うのか」から形を考え、日常の小さな不便や違和感を別の視点から見直したプロダクトをつくっています。

便利さだけではなく、使う時間も、使っていない時間も含めて考える。

長く暮らしの中に残る道具との出会いを楽しんでいただければと思います。

▶ MARIO DEL MAREのプロダクトを見る